2017年5月9日(火)
仏大統領選 マクロン氏勝利
不信感反映、白票過去最多に
【パリ=島崎桂】フランス大統領選挙(任期5年)の決選投票が7日、投開票され、大胆な規制緩和や欧州連合(EU)との協調を掲げる独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相(39)が当選しました。39歳での大統領就任は同国史上最年少です。
内務省の開票結果(開票率99・99%)によると、マクロン氏は66・06%を得票し、極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン候補(48、得票率約33・94%)を大差で破りました。
勝利宣言したマクロン氏は、高止まりする失業率や相次ぐテロを念頭に、「一部の国民を極端な政党に向かわせた怒りや疑念、不安は理解している。国民の安全を保証し、あらゆる不平等に対処するのが私の責任だ」と語りました。
敗北を認めたルペン氏は、第1回投票での二大政党の敗退に触れ、「この歴史的な機会に見合うようFNを変革する」と表明。今後、6月の議会選挙に向け党名変更や新党結成に動きそうです。
労働・解雇規制の緩和を掲げるマクロン、移民排斥とEU離脱を掲げるルペン両氏への根強い不信感を反映し、暫定投票率は第1回投票(77・8%)を下回る74・6%、白票・無効票は過去最高の約11・5%に達しました。有権者の約37%が棄権または白票を選ぶというフランスでは極めて異例の事態となりました。