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2017年5月6日(土)

主張

子どもへの支援

問われる現在と未来への責任

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 「こどもの日」の5日、各地で多彩な催しがありました。「こどもの日」は、1948年、戦争で親を亡くした子や貧困に苦しむ子たちがあふれていた時代に、子どもの幸福をはかる日として制定されました。

 前年施行された新しい憲法の下で、子どもは初めて一人の個人としての人格が認められました。そこに込められた思いは、いま実現されているでしょうか。

苦難強いる政治のゆがみ

 広がる貧困と格差が、子どもたちの現在と未来を閉ざしています。子どもの貧困率は過去最悪の16・3%(2012年)に達し、6人に1人が貧困ラインを下回る生活を強いられています。

 北海道の子どもの貧困調査(16年)では、過去1年間に経済的理由で家族が必要とする食料を買えなかったことがある世帯が2割に上っています。受診させた方が良いと思ったが受診させなかった経験がある世帯は18%、そのうち26%は「お金がなかった」ことが理由です。大阪府の調査では、困窮世帯ほど子どもの進学志向が低く、将来への期待感を低下させている実態が明らかになっています。

 こうした日本の子どもの状況は、経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかでも突出して異常なものとなっています。

 OECD加盟国の家庭分野への社会支出の対GDP(国内総生産)比でみると、一番高いイギリスでは3・76%、各国平均は2%ですが、日本はわずか1・25%にすぎません。

 国と社会の責任で、子どもたち一人ひとりを大切にし、未来に希望をもち生きていける社会の仕組みをつくることは、世界の流れです。教育費では、大学も含めて無償が多数で、給付制奨学金も充実しています。子育てを社会で担うという考えのもと、親の負担を軽くするなどの支援措置などが拡充されてきています。

 日本で、子どものための手厚い支援ができないのは政治の姿勢が間違っているためです。財界・大企業、大金持ちを優先する自民党政治を転換し、税金の集め方、使い方を変えることこそ求められています。5兆円を超す軍事費を見直すなど、子どもの貧困解決につながる社会保障、教育、子育て支援の予算を増やせば、どの子も等しく生きることができる社会に道をひらくことができます。

 異常な長時間労働は、子育てを困難にし、子どもの安心の暮らしを奪っています。安倍晋三政権がすすめるニセの「働き方改革」ではなく、残業時間を法的に規制し、過労死を生み出す長時間過密労働を解消し、「8時間働けばふつうに暮らせる社会」をつくることは、子どもたちが安心して、生き、成長できる何よりの保障です。

新しい日本を手渡そう

 戦後70年余、おとなたちは憲法を守り平和な日本を子どもたちに引き継ぐため、たたかってきました。そして、子どもの人格を尊重し、よりよい環境で育ってほしいと、教育や保育、子どもの医療費無償化の拡大などさまざまな分野で世論と運動を広げてきました。

 日本共産党は、憲法を生かした新しい政治を子どもたちに手渡したいと奮闘するすべてのみなさんと力を合わせ、安倍政権の暴走ストップ、自民党政治の転換のために全力をあげる決意です。


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