2017年4月27日(木)
在韓米軍がTHAAD配備
住民ら抗議「平和がほしい」
韓国国防省は26日、同国南部の星州で在韓米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備が始まったと発表しました。現地メディアによると、レーダーや発射台を載せたトレーラーが同日午前、住民が抗議するなか配備先のゴルフ場に入りました。
韓国政府は、「北朝鮮の核やミサイルの脅威が増す中、利用可能な一部の戦力から配備した」と発表。「今年中にTHAADシステムの完全な作戦運用能力が完備される」としています。
配備は住民への通知なしに始まりました。異変に気付いた住民が続々と駆け付け、車両10台で道路を封鎖。約8000人の警官が動員され、26日午前3時ごろに車両を排除し装備の搬入を強行。住民12人が負傷したといいます。
住民らは同日午後、集会を開き、「米国のための警察は立ち去れ」「配備強行は違法だ」「THAADは要らない。平和がほしい」と抗議の声を上げました。
大統領選(5月9日)候補で支持率1位を走る最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補は「国民の意思と手続きを無視したTHAAD配備に強い遺憾の意を表明する」として、「次期政府の政策的な判断の余地を無くすものであり、極めて不適切」と批判。配備中断を求めました。
支持率2位の中道野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補は「配備は国民の安全を守るためのもの」と理解を示す一方で、住民の理解を得ないままの「抜き打ち配備は遺憾だ」と表明しました。(面川誠)