2017年4月24日(月)
あらゆる排除反対
ドイツ・ケルン 極右党大会に抗議
主要政党・知事・労組など、幅広く
【ケルン(ドイツ西部)=伊藤寿庸】「反難民」とイスラム教徒の排斥を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の党大会が当地で始まった22日、同党に反対する大規模な集会・デモが会場近くで行われました。約1万2000人が参加し、人々は「あらゆる排除に反対して、連帯の社会を」などのプラカードを掲げました。
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社会民主党(SDP)、90年連合・緑の党、左翼党など主要政党が壇上からあいさつ。キリスト教民主同盟(CDU)や労働組合、人権団体、難民支援グループ、キリスト教徒やイスラム教徒の団体、芸術家ら幅広い人々が参加しました。
地元ノルトライン・ウェストファーレン州のクラフト州知事は、「扇動、排除、人種差別」のAfDの代議員は、この州でも歓迎しないと力説。2015年10月の市長選挙投票日の前日に、移民排斥を叫ぶ極右思想の男に刺されて重傷を負ったケルンのレーカー市長は、「ケルンで大会を開くのは挑発だ」と批判しました。
カトリックやプロテスタントなど、さまざまなキリスト教の宗派で作る連合体のとりまとめをしているミヒャエル・シュティープさん(64)は「私たちの十字にカギはない」と書いた横断幕とともに行進。世界的自動車部品メーカー、フェデラル・モーグルに勤めるユルゲン・マルクスさん(55)は「(AfDの)大会はこの町にとって良くない。彼らは80年前に逆戻りさせようとしている」と語りました。
AfDは大会初日に、他党との連立も視野に「穏健」ポーズをとろうとするペトリ党首が提案した戦略方針の動議を否決。ナチスの過去を美化するような強硬路線を前面に立てようとする流れが明確となっています。一時15%まで高まった同党の支持率ですが、最近は9%まで下落。それでも9月の総選挙で連邦議会に初議席を得る勢いは続いています。