2017年4月18日(火)
論戦ハイライト
シリア攻撃は国際法違反
衆院委で宮本徹議員追及
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米国につき従うためなら憲法も国連憲章もなおざりにする―。日本共産党の宮本徹議員の17日の衆院決算行政監視委員会での追及で、軍事的対応を強めるトランプ政権との親密さをアピールする安倍政権の危うさが一段と鮮明になりました。
宮本氏は、シリアでの化学兵器使用の真相解明に国際社会が努力しているさなかに、米国が一方的にシリアをミサイル攻撃したことを批判。国連憲章では、安全保障理事会の制裁決議がある場合と、自衛権の行使のみ例外的に武力行使を認めていることを指摘しました。
宮本 首相は米国の行動に理解・支持を表明した。(国連憲章上)今回の米国のシリア攻撃はどちらの場合にあたるのか。
安倍晋三首相 米国の説明を待ちたい。
宮本 安保理決議はあるのか。
岸田文雄外相 存在しない。国連憲章51条(自衛権)の場合は国連への報告が義務付けられているが、報告は承知していない。
宮本氏は「国際法違反は明白だ」と強調。「国際法違反の軍事行動を認めれば、化学兵器の使用という国際人道法違反をただす足場も失っていくことになる」と批判しました。
宮本氏は、シリア攻撃についてティラーソン米国務長官が北朝鮮に対する「メッセージだ」と公言し、これに対して北朝鮮も弾道ミサイルの発射を試みるなど軍事的対応をエスカレートさせていると指摘しました。
宮本 いま重要なことは、国際社会が結束して経済制裁の厳格な実施、強化を行い、外交交渉で朝鮮半島の非核化、平和解決をめざすことだ。
首相 トランプ大統領が、あらゆる選択肢がテーブルの上にあるという形で北朝鮮に圧力をかけていることを評価している。
宮本 問題はどう圧力をかけるかだ。軍事的威嚇は戦争になりかねない。トランプ大統領に北朝鮮への先制攻撃という選択肢はだめだと伝えたか。
首相 外交努力が重要なことは言うまでもない。同時に対話のための対話では意味がない。建前を述べるのは結構だが、それでは北朝鮮が動いてこなかった。
宮本氏は、「あらゆる選択肢を評価すれば先制攻撃も認めることになる。先制攻撃すれば取り返しのつかないことになる」とし、北朝鮮への先制攻撃を検討した1994年についてクリントン元米大統領が「軍事攻撃に踏み切った場合、甚大な犠牲者が双方に出るという厳しい予測も3週間前に報告されていた」と回想していることを紹介。カーター前国防長官も最近、米国が先制攻撃すれば「朝鮮戦争以来、見たこともない極めて破壊的なものになる」と警告していることを示し、「日本は外交解決のためのイニシアチブこそ発揮すべきだ。米国に軍事的選択肢をとってはならないと説得すべきだ」と迫りました。