2017年4月15日(土)
警察が監視 今でさえ
道路工事の住民情報集めも「通常業務」
藤野議員 「共謀罪」の危険追及
「今でも警察が『トラブルの可能性』と勝手に判断すれば、監視が始まる。これで『共謀罪』ができれば、どうなるか」――。日本共産党の藤野保史衆院議員は14日の衆院法務委員会で、岐阜県警による市民監視の実態を取り上げ、政府が繰り返す「一般の人々は(共謀罪と)無関係」というまやかしを追及しました。
「大垣事件」実態明かす
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藤野氏が取り上げたのは「大垣警察市民監視事件」です。中部電力子会社のシーテック社が作成した岐阜県警大垣署とのやりとりを記録した議事録の一部を読み上げ、「大々的な市民運動へと展開すると御社の事業も進まない」という大垣署員の発言を紹介。企業への異常な肩入れと住民敵視を日常的にしていると指摘しました。
これに対し、警察庁の白川靖浩長官官房審議官は「一般論として、関係者と意見交換を行うことはありうる」と認めました。
さらに、藤野氏は15年の高橋清孝警備局長(当時)の答弁(別項)にふれ「通常業務の一環というなら、全国の警察が堂々とこうした活動をしているのか」とただしました。
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白川氏は「いろんな事象について、例えば暴力団のトラブル、ある程度の規模の工事に伴う騒音トラブルなどを見聞きすることはある」と答えました。
藤野氏は「現在でも道路工事をはじめ、さまざまな事業で『トラブルがありそうだ』と警察が思えば、情報収集と提供が可能だとしている」と指摘。「共謀罪ができたら、盗聴などの強力な強制捜査の対象になるのではないか」と迫りました。
金田勝年法相は大垣事件に言及することなく「具体的な嫌疑がなければ、捜査を行うことはない。懸念はあたらない」と答弁。藤野氏は「監視が大手を振って行われる共謀罪は絶対に許されない。法案の審議入りに断固抗議する」と、審議強行を批判しました。
大垣警察市民監視事件 中部電力の子会社シーテックが計画する風力発電所に反対する三輪唯夫さんと住職の松島勢至さんが地元で勉強会を開いたことを機に、岐阜県警大垣署の警備課課長らがシー社に三輪さんらの個人情報を伝え、住民運動つぶしの相談をしていました。相談は2013年8月から翌年までの4回行われ、運動と無関係の近藤ゆり子さんと船田伸子さんも“メンバー”として、2人の情報も収集・提供されていました。
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