2017年4月2日(日)
中学の武道に「銃剣道」
「子どもに教えていいのか」「自衛隊がかかわるのでは」
不安・疑問の声
文部科学省が3月31日付官報で告示した新中学校学習指導要領の教科「保健体育」の武道で、選択できる種目の例に「銃剣道」を突然加えたことに、「中学校の子どもたちに教えていいのか」など不安や疑問の声が広がっています。
文科省は2月14日に学習指導要領改定案を公表し、3月15日までパブリックコメント(意見公募)を実施。「銃剣道」を明示すべきという意見に、同省は「学校や地域の実態に応じて、種目が選択できるよう武道の内容の弾力化を一層図るため、武道の8種目に『銃剣道』を加え」たとします。
学習指導要領では、それらを通して「我が国固有の伝統と文化により一層触れることができるようにすること」としています。
銃剣道は防具を着けた状態で、小銃に似せた木銃(もくじゅう)で相手の喉や胴の部分などを突く競技です。旧日本軍の格闘術で、自衛隊の訓練に使われています。
意見公募期間中の3月9日の参院外交防衛委員会で、元自衛官の佐藤正久議員(自民党)は、学習指導要領から「なぜか銃剣道一つだけが外された」と追及。同議員は、銃剣道は「陸と航空自衛隊は全員が最初やるんです。私も当然部隊でもやりましたし、防具もほとんどの人間は持っています」としました。
安倍政権で「戦争する国」づくりがすすむなか、自衛隊の訓練で使われる銃剣道が教育現場にもちこまれることや、「指導者として自衛隊がかかわってくるのでは」などと危惧する声があがっています。