2017年3月26日(日)
防衛省公募制中止を
井上氏「科学者受け入れず」
軍事研究
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日本共産党の井上哲士議員は22日の参院外交防衛委員会で、日本学術会議の検討委員会が9日にとりまとめた「軍事的安全保障研究に関する声明(案)」で、軍事研究を行わないとした過去の声明を「継承する」としたことを取り上げ、「大学などに資金を提供する防衛省の公募制度を中止し、民生分野の基礎研究の予算を拡充すべきだ」と訴えました。
防衛省が2015年度に3億円でスタートさせた「安全保障技術研究推進制度」は、17年度予算案では110億円に大幅増額されました。学術会議検討委員会の声明案は同制度について学術の健全な発展という見地から「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と断じています。
井上氏は、制度創設以降に九つの大学が軍事研究を禁止したことなどを示し、「防衛省の制度は科学者に受け入れられていない。重く受け止めよ」と迫りました。稲田朋美防衛相は「(声明案への)コメントは控える」としつつ「高い技術力は命とくらしを守るため不可欠」などと述べ、制度を正当化しました。
井上氏は、政府の総合科学・イノベーション会議が軍民両用技術の研究推進のための検討会設置を議論していることについても「学術の健全な発展を求める動きに逆行する」と批判しました。