2017年3月18日(土)
軍事費のため国民生活犠牲に 米予算教書骨格
職業訓練・水資源・奨学金…
各省予算を削減・停止
【ワシントン=洞口昇幸】トランプ米政権が16日に示した2018会計年度(17年10月〜18年9月)予算教書骨格で、トランプ氏は「米国民は首都ワシントンで、最優先事項のたたかいのために私を選出した」と強調しますが、軍事費増のために削減される各省の予算には、国民生活に関係する制度・事業が多く含まれています。
前年比21%減を目指す労働省の予算では、55歳以上の低所得者がより良い職に就くことなどを目指す職業訓練プログラムの補助金の停止が盛り込まれています。
低所得者への冬季の暖房費助成の予算削減も提示。教育省の予算削減案には、給付型の連邦奨学金だけでは足りない学生を優先・対象とする補助的奨学金制度の廃止が含まれています。
農村地域での安全な水資源の供給や下水設備のための補助金の停止、地方の職員の削減などで、農務省の予算を減らします。
前年比31%も予算を減らす環境保護局(EPA)では、五大湖浄化などのプログラムを廃止し、EPA職員を約3200人削減する方針です。
今回示された骨格には、歳入見通しや社会保障関連費などの義務的経費は含まれていません。トランプ政権が掲げる税制改革もまとまっていません。詳細を記した予算教書は、5月に議会に提示される予定です。