2017年3月17日(金)
米新入国禁止令も停止
ホノルル連邦地裁 イスラム教差別で違憲
【ワシントン=洞口昇幸】トランプ米大統領が6日に署名したイスラム圏の特定国の国民や難民の米国への入国を禁止する大統領令について、ハワイ州のホノルル連邦地裁は施行日の前日の15日に、執行差し止めの仮処分を命じました。効力は全米に及びます。米メディアなどが一斉に報じました。
同大統領令は、トランプ氏がテロリストの入国を防ぐためと称して同様に入国禁止を命じた1月の大統領令の「修正版」です。1月の大統領令で国内外から激しい非難の声や抗議行動が起こり、同大統領令について地裁と高裁は差し止めを命じました。トランプ大統領はこれを受けて、イスラム圏の特定国を当初の7カ国から6カ国にし、入国査証(ビザ)や永住権を持つ者は入国できるようにするなど若干の修正を施し、新たな大統領令として署名しました。
新大統領令についてハワイ州は8日、当初の大統領令と同様に憲法違反だとして差し止めを求めてホノルル地裁に提訴。ロイター通信によると、同大統領令はイスラム教徒を差別するもので違憲であるというハワイ州側の主張が認められ、今回の仮処分に至りました。
トランプ氏は15日のテネシー州での演説で、今回の仮処分について「前代未聞の司法の行き過ぎだ」と批判し、必要があれば最高裁まで争う考えを示しました。