2017年2月12日(日)
日米首脳会談
対米追従 いっそう深化
軍事経済 同盟強化を確認 辺野古推進、「経済」枠組み創設へ
【ワシントン=洞口昇幸】安倍晋三首相とトランプ米大統領は10日(日本時間11日)、ホワイトハウスで初めて会談し、軍事、経済両面で日米軍事同盟のさらなる強化を確認しました。両首脳はホワイトハウスの車寄せで抱き合うほどの親しさを演出。「米国第一」を掲げるトランプ大統領を、安倍首相が「偉大な米国、強い米国」と持ち上げるなど、「日米同盟第一」の立場からいっそう対米追従を深める会談となりました。
会談後に発表された共同声明では、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設が、「普天間基地(同県宜野湾市)の継続的な使用を回避するための唯一の解決策」と明記。新基地建設反対の「オール沖縄」の民意を踏みにじって、基地建設を強行する姿勢を改めて示しました。
会談で両首脳は、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを確認。安倍首相は共同記者会見で、日米同盟の「絆は揺るぎないもの」であり、「日本も『積極的平和主義』の旗の下で大きな役割を果たす」と言明しました。トランプ氏は「日本の安全保障に関与する。日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定の礎石だ」と強調しました。
国連では3月にも核兵器禁止条約の締結交渉が始まろうとしています。共同声明はこれに逆行するように、「核および通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメント(関与)は揺るぎない」と明記しました。
こうした日米の軍事一体化をさらに進めるために、日米の安全保障協議委員会(2プラス2、外務・防衛担当閣僚会合)の開催を確認しました。
経済分野で共同声明は、米国の環太平洋連携協定(TPP)からの離脱に「留意」し、「日米間で2国間の枠組みに関して議論を行う」としました。「経済政策」「インフラ投資・エネルギー分野」「貿易・投資ルール」の三つの柱を扱うとして、麻生太郎副総理とペンス副大統領による経済対話の枠組みを創設することで合意しました。
安倍氏は共同記者会見で、「日本は高い技術力で大統領の成長戦略に貢献できる。米国に新しい雇用を生み出すことができる」と強調しました。