2017年2月8日(水)
民から官へ 増える「天上がり」
官民の癒着、断ち切れ
衆院予算委 塩川議員が追及
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日本共産党の塩川鉄也議員は7日の衆院予算委員会で、大企業などの民間企業出身者が国家公務員として勤務する「天上がり」について、官業癒着をもたらし国民の利益を損なうものだと追及しました。
安倍内閣が自由化
塩川氏は、第1次安倍政権による国家公務員制度改革が「天下り」の原則自由化とともに、「官民交流の抜本的拡大」で省庁と企業の間で自由な行き来を可能にしたと指摘。「民間企業から国への職員の受け入れ状況」(グラフ)を示し、2015年度は1882人で07年度比2・2倍だと強調しました。さらに総務省の意識調査では、民間企業が「官民交流」を行うメリットに「官庁との人脈形成」「新たなビジネス機会の創出」を挙げていると指摘しました。
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政策立案の“司令塔”である内閣官房の事務局には、民間企業出身者数が07年度の60人から15年度の205人へと3倍以上に拡大しています。
塩川氏は、内閣官房の民間企業出身者のほとんどが非常勤職員だとし、その給与など勤務条件について質問。石原伸晃経済再生相は、週5日、午前10時から5時間45分の勤務で、目安では日当が1万円前後だと答えました。塩川氏は「年収240万円で、昇給もボーナスもない。社会保険の適用もない。実態は、民間企業側が給与の補てんをしているのではないか。そうなれば“見返り”を期待することになる」と指摘しました。
塩川氏は「その多数が出身企業の身分をもったまま勤務し、数年後に出身企業に戻っていく。そうなれば営利企業の利潤追求を代弁することになる」と批判しました。
ゆがむ公務の性格
安倍政権が成長戦略に位置付ける、健康・医療戦略の事務を担う「健康・医療戦略室」には製薬メーカートップ5の武田薬品、アステラス製薬など大企業出身者が加わっています。塩川氏は「予算の重点配分などの利益を被る業界関係者を直接、国家戦略の作成にあたらせ、公平・公正な政策をゆがめる」と追及。石原氏は「専門的知見を企画立案に生かす」と正当化しました。
塩川氏は「民間から利潤追求、効率優先の制度が持ち込まれれば、国民全体の奉仕者という公務の性格がゆがめられる。官民癒着・官業癒着をきっぱり断ち切るべきだ」と主張しました。