2017年2月4日(土)
米韓国防相会談 対北演習強化へ
最新鋭防衛ミサイル年内配備 中ロは反発
韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相は3日、マティス米国防長官とソウルで会談し、3月に行われる米韓合同軍事演習を強化することで一致しました。最新鋭の地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍への配備を計画通り推進し、年内に配備を完了する方針を確認しました。現地メディアが報じました。
(栗原千鶴)
マティス氏は核・ミサイルの開発を進める北朝鮮から韓国を守る意志に変わりないと強調。「米国や同盟国への攻撃を撃退し、いかなる核兵器使用にも圧倒的な対応をとる」と述べました。
現地メディアによると、韓国の国防省当局者は会談後、「両国は北朝鮮がトランプ政権の意志を確認するために韓米合同軍事演習を契機に挑発する可能性があることに留意している」と表明。「挑発抑制のため来月、強化された韓米合同軍事演習を実施する必要性で一致した」と語りました。具体的な計画は示していませんが、過去最大の米兵が参加したとされる昨年同時期の演習より、兵力が増強されるとの見方が強まっています。韓国側はこれまで、北朝鮮の核の脅威から韓国を防衛するためだとして、「拡大抑止の具体的な方策」を米側に要求。マティス氏はそれに対し、重要性を認識していると肯定的な反応を見せたといいます。
THAAD配備には中国、ロシア両政府が激しく反発しています。中国は自国の安全と利益に影響を及ぼすと指摘。ロシアは米国の世界的規模のミサイル防衛の一環で自国の安保に対する脅威とみなしています。
韓国の民間世論調査会社が先月行った調査によると、配備賛成は51%、反対は40%でした。昨年8月の調査と比較すると賛成が7ポイント減、反対が9ポイント増となっています。