2017年1月29日(日)
米、難民受け入れ停止
トランプ氏 大統領令に署名
シリアからは無期限
【ワシントン=洞口昇幸】トランプ米大統領は27日、「イスラム過激主義のテロリストの入国を防ぐ」ことを名目に、イスラム教徒の多い中東・アフリカの特定国の出身者による訪米の禁止、シリアからの難民受け入れの無期限停止などを命じる大統領令に署名しました。
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大統領選挙中からトランプ氏は、「イスラム教徒の一時入国禁止」を掲げ、差別・排外主義をあおる政策として国内外からの批判や反対の声を引き起こしていました。今回、その公約を強行したことになります。
トランプ氏は、大統領令を署名した国防総省で「米国を支持し、米国民を深く愛する人々を国内に入れたいだけだ」と演説。差別・排外主義的な姿勢をより鮮明にしました。
難民については、内戦下のシリアからの受け入れ停止に加え、他の国からも少なくとも120日間停止。この間にテロリストが難民に紛れ込まないよう審査手続きを見直すとしています。
イスラム教徒の多い国で宗教的迫害に直面する少数派、キリスト教徒などの難民は受け入れを継続するとしています。
オバマ前政権は昨年10月からの1年間で11万人の難民受け入れを計画していましたが、トランプ政権は5万人以下にすると大統領令に明記しました。
難民以外の外国人についても特定国の出身者は少なくとも90日間、入国を禁止。特定国はイラク、イラン、シリア、スーダン、リビア、イエメン、ソマリアで、90日間でビザ(査証)発給などの基準を厳格化します。