2017年1月23日(月)
トランプ大統領に抗議
全米300万人 女性・移民・人種差別するな
【ワシントン=遠藤誠二、洞口昇幸】トランプ新大統領による女性を蔑視したり、移民を攻撃する発言や、イスラム教徒や少数人種の排斥姿勢などに反対する「女性大行進」が21日、首都ワシントンやニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなど、米国内の主要都市で行われました。
前日に就任式が開かれたワシントン連邦議会前の広場には、全米から約50万人(主催者発表)が集結しました。大統領就任直後に、これだけの反対集会が開かれるのは米国史上初めて。映画監督のマイケル・ムーアさんや俳優のスカーレット・ヨハンセンさん、エマ・ワトソンさん、歌手のマドンナさんやアリシア・キーズさんらもかけつけました。
参加者は老若男女さまざま。幼児をつれた家族や知人友人で集まった人たちが、「愛は憎悪を打ち負かす」「女性の権利は人権」「トランプのアメリカにはならない」「沈黙はリベラルのとる道ではない」「われわれは引き返さない」などと書いたプラカードを掲げ、行進しました。
女性の多くは、猫の耳をかたどった「プッシー(子猫)ハット」とよばれるピンク色のニット帽をかぶりました。トランプ氏が過去に、女性を侮辱する言葉を発したことに対する抗議の意を込めてのものです。
ワシントンの行進に友人と参加した女性(24)は、「昨日のトランプ大統領の就任演説は、米国民の多様性を認めているとはとても思えない。女性だけでなく移民やイスラム教徒に対する不寛容さがこれからの政治に表れてくると思うと恐ろしい。差別主義を増長させてはいけない」と語りました。
イリノイ州から家族と参加した男性のリチャード・テイラーさん(67)は、「私には3人の娘と3人の孫がいる。女性の権利を守ることが平等を守ることだ。多数の国民のことを気にかけないで、大企業や億万長者のためだけの政治を行うなら、彼はわれわれの大統領ではない」と断じました。
「女性大行進」は、全米300カ所で少なくとも300万人が参加したとみられています。またロンドンやパリ、ローマなど欧州の主要都市や、中米のメキシコ、アフリカのケニアなど世界各都市でも行われました。