2017年1月13日(金)
大学新入生 貸与奨学金を敬遠
将来の負債避ける保護者
大学生協連調査
大学新入生の保護者が奨学金の利用を避ける傾向にあることが、全国大学生活協同組合連合会の調査で明らかになりました。10日に公表された「2016年度保護者に聞く新入生調査概要報告」によるものです。調査は全国大学生協の約7万1000人を対象に実施、122大学生協の2万906人から回答を得ました。
受験から入学までにかかった費用の準備についてたずねた項目では「奨学金を申請した」は11〜16年の5年間で4・0ポイントの減少。「学資保険に入っていた」は53・9%と最も多いものの、最も高かった13年度から3年間で8・0ポイント減少しました。
一方で「貯金を切り崩した」が34・9%で、11年の29・0%から5・9ポイントの増加。奨学金や学資保険を避ける一方で、受験・入学費用のために貯金を取り崩す家庭が増える傾向がみられます。
大学生協連はこの傾向について「多くの保護者が、現在の奨学金はほぼ貸与だという印象を持っている。子どもに将来の負債を負わせたくないとの思いから奨学金を敬遠する傾向にある」と分析しています。
また大学を選ぶ際の関心事では、「設置者(国公立・私立)」が58・5%と最も高く、国公立では78・4%を占めます。次いで高かったのは「大学の所在地」で、53・1%。同団体は「大学生活を送るための費用への影響が高いことに関心が多く寄せられている」と述べています。
大学生活を送る際の保護者の心配では、「授業や単位のこと」が40・2%と最も高く、08年度に比べて10・7ポイントの増加。「友達付き合いや人間関係のこと」も、この9年間増加が続いています。「将来や就職」を心配する回答は、ここ数年減少傾向にあるといいますが、16年は前年に比べ増加しています。
受験から入学までにかかる費用の平均は、国公立で167万5600円、私立で174万800円でした。
同調査は07年度から毎年4〜5月に行われています。