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2016年12月30日(金)

イスラエルの入植を批判

米国務長官が演説

パレスチナとの「2国家共存」を強調

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 ケリー米国務長官は28日、ワシントンで演説し、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」が「公正で永続する和平達成の唯一の方法だ」と強調しました。「イスラエルのネタニヤフ首相は公には2国家共存の解決を支持しているが、現在の同国の連立政権は正反対の方向、(パレスチナ国家を認めない)一つの国家へと導いている」と述べ、異例の強さで入植地建設を批判しました。(島田峰隆)


 ケリー氏は、ヨルダン川西岸の入植地が第3次中東戦争以降増え続け、入植者数は1993年のオスロ合意以降に約27万人も増えたと指摘。「より多くの入植者がパレスチナ地域に移住すればするほど、地域の分割や主権の委譲が難しくなる。それこそが一部の人たちが意図的にすすめていることだ」と語りました。

 また入植地の増加でヨルダン川西岸の道路が分断され、人の移動が制限される実態を挙げ、「パレスチナの発展を阻害している」と強調。「もし1国家解決となると、無数のパレスチナ人が隔離された飛び地に、政治的権利も基本的な自由も奪われた永久の軍事占領下で住むことになる」と語りました。

 入植活動停止を求める国連安保理決議(23日)に米国が棄権したことをイスラエルが批判していることに対しては、「イスラエルを孤立させているのは安保理決議ではない。和平をつぶす危険のある入植地建設の政策だ」と指摘しました。

 ケリー氏は、パレスチナ側にも統治の強化などに取り組むよう注文をつけました。そのうえで▽占領地からのイスラエル軍撤退を求めた安保理決議242号を基礎とした1967年の境界線に沿った国境▽2国家を認めた国連総会決議181の実践▽パレスチナ難民問題の公正で現実的な解決▽エルサレムの地位についての合意▽イスラエルの安全確保と占領の最終的な終了▽紛争を終わらせ、あらゆる主張を解決して関係を正常化―の六つの原則を提示しました。


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