2016年12月29日(木)
軍学共同予算激増に抗議
研究者ら、制度廃止求め声明
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研究者や市民らでつくる軍学共同反対連絡会は28日、安倍政権が2017年度予算案で防衛省の安全保障技術研究推進制度に前年度の18倍となる110億円を計上したことに、抗議の緊急声明を発表、国会内で会見を開きました。
15年度に始まった安全保障技術研究推進制度は兵器開発への応用を目的に大学などに研究費を提供するもので、初年度予算は3億円でした。
声明は、この予算案が、「日本が今後、『軍産学複合体』を形成し、国政を大きく歪(ゆが)めていく端緒を開いた」と指摘。研究者は国立大学の運営費交付金の削減などによって研究費不足に追い込まれており、破格の大金を条件にした防衛省の制度に少なくない研究者が応じることを憂慮し、予算の削除と制度の廃止を要求しています。
連絡会は今後、国会議員と共同で予算の問題点を明らかにして市民に訴えるとともに、大学への運営費等の増額を求め、全国の大学・研究者に防衛省の募集に応じないよう働きかけていくとしています。
会見で同会共同代表の池内了名古屋大学名誉教授は、「同制度への16年度の応募者数が前年の半数以下に激減したことを全く無視している。応募者ゼロを目指していく」と述べました。