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2016年12月11日(日)

CEO(最高経営責任者)高額報酬 企業に増税

ポートランド市が条例

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従業員の100倍なら10%増

米国で初 所得格差に対処

 【ワシントン=洞口昇幸】米西部オレゴン州ポートランドの市議会は7日、最高経営責任者(CEO)の報酬が従業員の給与の中央値の100倍を超える企業に対し、市の事業税を割り増しする条例を可決しました。米主要メディアも「所得格差に対処する動き」(米紙ニューヨーク・タイムズ)と注目して報じています。同紙によると、こうした制度は米国で初めてです。


地図:米ポートランド市

 新条例は来年1月から実施。企業の従業員に払う給与額の中央値と比べて、CEOが受け取る報酬額が100倍以上ならば10%、250倍以上ならば25%の割増税が企業に課されます。

 ポートランド市は現在、CEOの報酬が非常に高額なことで知られる金融大手のウェルズ・ファーゴ、複合企業ゼネラル・エレクトリック、世界最大の小売業者ウォルマートを含む500以上の企業が割増税の対象となると見ています。年間250万〜350万ドル(最大約4億円)の新たな税収が見込まれ、住宅や警察、消防など公益事業の財源になるとしています。

 企業の給与情報を扱う複数の専門サイトによると、ウォルマートのダグ・マクミランCEOの2016会計年度(15年10月〜16年9月)の報酬は1940万4042ドル(約22億1206万円)、従業員の年収の中央値9万6588ドル(約1101万円)の約200倍です。

 条例を提案したスティーブ・ノビック市議は地元メディアに対し、条例でCEOへの法外な高額報酬が抑制されることも期待すると表明。さらに声明で「極端な経済的不平等は社会の最大の問題だ。所得上位1%、特に上位0・1%は40年前より、はるかに大きな富や収入を得ている」と指摘しました。

 米進歩系シンクタンク「政策研究所」は7日の声明で、新条例が「全米で野火のように広がった、生活できる賃金を求める運動のように、波のような行動を引き起こすかもしれない」と歓迎しています。


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