2016年12月9日(金)
ステルス技術が無人機に
防衛省の競争的資金制度 将来の兵器開発に直結
参院委 井上議員質問で浮き彫り
日本共産党の井上哲士議員は8日の参院外交防衛委員会で、防衛省がテーマを決め、大学や研究機関、企業に研究資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」について、将来の軍事兵器開発に直結した研究そのものだと追及しました。
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同制度は2015年に3億円で発足、16年度は6億円、来年度概算要求では110億円に膨張しています。
井上氏は、防衛省の「将来無人装備に関する研究開発ビジョン」に明記された戦闘支援無人機の開発の課題に、同制度で採択された研究テーマである「メタマテリアル」を用いたステルス技術の活用が盛り込まれていると指摘。防衛装備庁の石川正樹審議官は「(研究が)必要に応じて活用される」と認めました。稲田朋美防衛相は、無人機について「有人機の『戦闘支援』を行うもの」と戦闘に使われることを認めました。
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井上氏は、「マッハ5以上のエンジン」や高温・高圧に耐えられる「金属の表面処理」なども、同省が発表した「次世代戦闘機のコンセプト」と直結していると指摘。「競争的資金の目的は将来装備品の研究開発に民生技術を取り込むことだ」と強調しました。
同制度には、プログラムオフィサー(PO)が配置され、研究計画や内容を助言、指導します。石川審議官はPOに指名されるのは「防衛装備庁の研究者」と答弁。井上氏は防衛省の資料に「POは、防衛用途への応用を目指して、研究委託先と調整」と明記していることを示し、「進ちょくに問題があれば打ち切りもある。安全保障技術研究推進制度は大学の研究を防衛省の下請けにする制度だ」と批判しました。
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