2016年12月9日(金)
シリア紛争 近づくアレッポ陥落
停戦求めるも、政権側反応なし
【カイロ=小玉純一】シリア紛争でアサド政権側は7日、激戦地アレッポ東部の旧市街から反体制派を追放し、アレッポ全体の制圧に近づいています。反体制派が2012年から拠点としてきたアレッポが陥落すれば、政権側は主要都市すべてを掌握することになります。
ロイター通信が、政権寄りのテレビ局マヤディンが7日に放送したと伝えたところでは、アサド大統領は、アレッポでの前進がシリア全体の戦闘の成り行きを完全に変えるものだと述べました。反体制派と支援者にとってアレッポが「最後の望みだ」とも述べました。
6日、7日と旧市街で空爆、砲撃が続いたもようです。追い詰められた反体制派は7日、市民の避難のための5日間の停戦を求めました。500人の緊急医療手当てが必要だとしています。政権側の反応は同日夜の時点で、ありません。
米英仏なども同日、人道支援の停戦を求めました。
国連高官がロイター通信に伝えたところでは、この1週間で3万人以上がアレッポ東部から政府軍支配地域へ避難しました。
国連安全保障理事会では5日、エジプトなどが提出した7日間の停戦案に対し、ロシアと中国が拒否権を行使しました。ロシアのチュルキン国連大使は「停戦で戦闘員が弾丸補給し態勢を強化する」と発言しました。