2016年12月8日(木)
北極海氷 11月では最小
米チーム発表 海も空気も暖かく
北極の海氷の面積が11月としては最小を記録したと、米国立雪氷データセンターの研究チームが6日、発表しました。今年11月の北極の平均海氷面積は908万平方キロで、1981年から2010年までの11月の平均面積(1103万平方キロ)より195万平方キロ小さく、これまでの最小記録(06年の1023万平方キロ)より小さくなりました。
11月は、夏から秋の初めにかけて小さくなった海氷の面積が再び大きくなり始める時期です。しかし、11月中旬急速に5万平方キロも面積が縮小。ノルウェー、フィンランド、ロシア東部の北にあたる北極海で顕著でした。
北極海に浮かぶ島に、11月に滞在していた同センターの研究者は「周りには海氷が無く、いつもなら海氷がつくられているフィヨルドでも見ることができなかった」と報告しています。
海氷面積が縮小した海域の上空の気温は1981年から2010年までの平均気温より10度高く、これは南から暖かい風が吹き込んでいたためだといいます。また、海面水温は4度と異常に高い状態が続いていました。
研究チームは、暖かな海、暖かな空気、風のパターンの三つが海氷の成長を阻んだと指摘しています。