2016年12月3日(土)
籾井NHK会長 再任困難
世論が批判■同意足りず
NHKの籾井(もみい)勝人会長の再任が困難となったことが2日、分かりました。任命権を持つ経営委員会(委員長・石原進JR九州相談役)の12人中、再任に必要な9人以上の同意を得るのが難しい情勢となったため。籾井氏の任期は来年1月24日までです。
籾井氏は2014年1月の就任記者会見で、「政府が右と言っているものを左と言うわけにはいかない」「従軍慰安婦はどこの国にもあった」などの発言で厳しい世論の批判を受けました。その後も「原発については公式発表を基に」など政府寄りの言動を繰り返しました。
経営委員会も3度にわたって籾井氏を「厳重注意」しました。こうしたこともあってNHK予算は野党が反対し、3年連続で全会一致での承認とはなりませんでした。
就任直後から、市民団体やNHK退職者などを中心に「籾井会長辞任・罷免を」の声が高まり、「籾井会長再任反対」署名は3万人を超えています。しかし籾井氏は退陣要求は一貫してはねつけてきました。
経営委員会は10月、次期会長指名の資格要件で「政治的中立」を重視する姿勢を打ち出し、籾井氏がいっそう追い詰められる状況になりました。経営委は6日に会長指名部会を開き、後任候補の選定作業を進めることにしています。