2016年12月2日(金)
コロンビア和平発効
新合意案承認 半世紀の内戦が終結
南米コロンビアの下院は11月30日、政府と同国最大の武装組織「コロンビア革命軍」(FARC)が策定し直した新たな和平合意案を承認。和平合意が発効しました。ロイター通信などが伝えました。新たな合意案は10月の国民投票で否決された和平合意案を修正した内容。これにより半世紀続いた内戦の終結が実現します。
下院の採決結果は賛成130、反対0。上院も前日、75対0で承認していました。サントス大統領は議会承認を受け、「和平実現に向けた議会の支援に感謝する」との声明を発表しました。
合意に反対するウリベ前大統領派は棄権。新たな和平合意案も譲歩しすぎていると批判しています。
和平合意の成立を受け、政府は収監中のFARCメンバーを特赦・減刑する法律の制定を急ぎます。一方、FARCは国連監視部隊への武器引き渡しを加速化させ、武装組織から政党へ転換します。
ウリベ大統領派は議会討論で、FARCの政治参加やメンバーの特赦・減刑などが犯罪行為を容認することになると批判しました。
前回の合意案が国民投票で否決されたあと、政府は反対派の意見を聞いた上でFARCとの再交渉に臨みました。反対派は新たな合意案について、主な内容はまったく変わっていないと反発しています。
クリスト内相は合意案の承認後、「賛成派の意見も、反対派の意見も、敬意を持って傾聴した。新たな和平合意をより良いものにするために、今後も有益な対話が続くことを期待する」と述べました。
FARCとの和平交渉担当官を務めたハラミージョ氏は、「きょうという日を忘れず、50年に及んだ内戦を終結させよう」と述べ、和平合意履行に向けた国民の協力を呼び掛けました。
コロンビア政府とFARCの内戦は、約22万人の死者と数百万人の避難民という犠牲をもたらしました。和平への努力を理由にノーベル平和賞を受賞することになったサントス大統領は、12月10日にノルウェーでの授賞式に出席する予定です。