2016年11月25日(金)
韓国大統領弾劾 来月初め
与党内からも同調 訴追案可決の可能性
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告らによる国政介入が発覚してから約1カ月。検察側は20日、同被告らによる機密漏えい罪などに朴大統領が「共犯」だとの見方を示しており、国民の怒りは強まるばかりです。現地メディアによると与党セヌリ党内でも同調が広がっており、12月初めにも弾劾訴追案が国会で可決される可能性が高まっています。
(栗原千鶴)
24日午前、最大野党「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は、「早ければ12月2日、遅くとも9日には国会本会議で採決するつもりだ」と述べ、弾劾に自信をのぞかせました。弾劾案は民主党と野党第2党の「国民の党」が草案をつくり、今月末に正義党や無所属議員も含め共同発議する予定です。
弾劾案可決には在籍議員300人のうち、3分の2以上の賛成が必要です。129議席を占めるセヌリ党内で朴大統領と距離を置く議員が、どの程度、賛成に回るかが注目されています。
同党の前代表、金武星(キム・ムソン)氏は23日、「憲法に違反した大統領は弾劾を受けるべきだ。弾劾の先頭に立つ」と表明。24日、同氏の側近は、同党内で弾劾を支持すると署名した人数は40人に達したと語りました。
一方、国民は5週連続となる週末の大規模集会を予定しています。主催者側はソウルに集まろうと呼びかけており、全国各地からバスでの参加を表明するグループや、農業従事者がトラクター2000台で参加するなど呼応しています。
24日に民間会社による世論調査で、弾劾訴追に賛成と回答したのは約80%に上り、特に20代から40代は8割を超え、30代では93・6%となりました。
弾劾が可決されれば、大統領の職務は停止され、首相が権限を代行。憲法裁判所は弾劾訴追決議の提出を受け、180日以内に是非を決定します。