2016年11月2日(水)
米マック本社 未払い残業代支払い
加盟店労働者800人と合意
【ワシントン=島田峰隆】米ファーストフード大手マクドナルド本社は、西部カリフォルニア州にあるフランチャイズ店(加盟店)5店舗の労働者約800人が起こしていた裁判で、未払い残業代など総額375万ドル(約3億9000万円)を支払うことで合意しました。ロイター通信が10月31日に伝えました。
これらの労働者は2014年、残業代の未払い、賃金支払い記録の不備などが州の法律に違反しているとしてマクドナルド本社と加盟店を相手取って裁判を起こしていました。
同州サンフランシスコの裁判所は28日、マクドナルド本社が未払い賃金および損害賠償として175万ドル(約1億8000万円)、裁判費用として200万ドル(約2億1000万円)を労働者に支払うことを明らかにしました。
労働者側の弁護士は、加盟店で働く労働者が集団訴訟で本社と合意したのは初めてだとしています。最低賃金の引き上げを求める運動団体は31日、「労働者が声を上げれば、本社も無視できないことを示した」と歓迎しました。
マクドナルド本社の報道官は同日、本社と加盟店は「共同雇用者」ではないとする従来の見解を示しつつ、「訴訟に伴う出費や混乱を避けるためにお互いに受け入れ可能な解決策をとった」と述べました。
労働問題の解決に当たる独立行政機関「全米労働関係委員会」(NLRB)は15年8月、加盟店で違法行為があった場合は事業を行う本社にも責任があるとする判断を出しています。