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2016年10月31日(月)

韓国“大統領退陣”高まる声

ソウルで2万人抗議集会

機密情報漏えい疑惑

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 韓国で朴槿恵(パク・クネ)大統領に退陣を求める声が日増しに高まっています。現地からの報道によると、朴大統領が、友人である崔順実(チェ・スンシル)氏に機密情報や外交資料などを見せるなどして助言を受けていた問題で、市民らは29日、ソウル市を中心に各地で抗議集会を開催しました。(栗原千鶴)


 ソウル市の会場となった清渓広場は「朴槿恵、退陣せよ」「疑惑の真相究明を」などと書いたプラカードを掲げた約2万人の市民で埋め尽くされました。

 各メディアは「部屋に座っているだけでは無責任だと思って参加した」「国政が、あまりにも情けないと思った。小さな声でも必要だと思って出てきた」などと、参加者の声を紹介しました。

中高生や学生も

 集会には、野党議員や地方自治体の首長も参加し、共に退陣を求めたたかうことを表明。集会後に参加者はデモ行進を行いました。

 29日午後には、中高生らでつくる「21世紀青少年共同体・希望」が記者会見。「国民が選んだ大統領が、私たちの知らない人の操り人形のようだったというのは嘆かわしい」と批判し、「朴大統領の退陣を強く要求する」と語りました。

 高麗大、東国大、西江大など10の学生組合も同日、共同で記者会見を開き、朴政権の退陣と真相究明に向けた捜査を求めました。28日までに、各大学でも自治会が退陣を求める宣言文などを発表しています。

 この問題はテレビ局JTBCが今月24日、崔氏が以前持っていたパソコンのファイルを分析した結果、朴大統領の演説草稿など機密情報を事前に崔氏が入手していたことが分かったと報じたことで発覚しました。

謝罪し側近刷新

 朴大統領は25日、崔氏に資料を渡して助言を受けていた事実を認め謝罪しました。資料には南北軍事当局者の秘密接触に関する情報や大統領府の警護担当者の候補者リストなどがありました。

 検察は特別捜査本部を設立。青瓦台(大統領府)に対する捜査を29日に開始しました。しかし現行法では大統領府などに対する家宅捜索には同意が必要なため、任意での資料提出にとどまっています。

 一方、朴大統領は首席秘書官全員に辞表を提出するよう指示し、側近人事の刷新で政権の危機を乗り越えようとしましたが、国民の批判は収まっていません。与党セヌリ党の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表も「大統領の謝罪だけで終わる問題ではない」と表明しており、朴大統領は依然、厳しい状況に置かれています。


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