2016年10月20日(木)
米越が枯れ葉剤除去
元米軍基地 ダナン空港で開始式典
【ハノイ=松本眞志】ベトナムと米国は18日、中部ダナン市の空港で、枯れ葉剤(オレンジ剤)の最終的な汚染除去作業を開始しました。ベトナム戦争の時代に、ダナン空港は米軍基地として使用され、枯れ葉剤が大量に貯蔵されていたため、今も深刻な汚染が残されています。
除染作業では、発がん物質のダイオキシンに汚染された4万5000立方メートルの土壌と堆積物を熱処理で無害化します。地元では、市民にとって大きな利益になると歓迎されています。
作業開始の式典でグエン・チ・ビン国防次官は、米越共同による汚染の除去作業は両国関係にとって歴史的な重要性をもつと評価。「2017年にダナンで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)のためにダナン空港第2ターミナルを建設する。そのためにダナン市を安全でクリーンな都市にしたい」と語り、作業促進の重要性を強調しました。
式典に出席した米国のテッド・オシウス駐ベトナム大使は、汚染除去作業について、過去に向き合う米国の誠実さを象徴するものにしたいとのべました。
ベトナムへの侵略戦争を進めていた米軍は、ゲリラ闘争を進めていた解放勢力への攻撃をしやすくするために、ジャングルに枯れ葉剤を散布。成分に含まれていた猛毒のダイオキシンが、長年にわたり人体に有害な影響を与えてきました。
ベトナム政府は300万人が枯れ葉剤にさらされ、すくなくとも15万人の子どもが奇形を持って生まれたとしています。