「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年10月12日(水)

第2次補正予算案

吉良議員の反対討論

参院本会議

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 日本共産党の吉良よし子議員が11日の参院本会議で行った2016年度第2次補正予算案への反対討論(要旨)は以下の通りです。

 熊本地震からの復旧・復興に取り組む住民を阿蘇山の爆発的噴火が襲いました。被災されたみなさまに心からのお見舞いを申し上げます。8月から9月の台風による被害も甚大です。一日も早い生活と生業(なりわい)の再建・復旧にむけて、補正予算による予算措置は当然です。

 その上で、被災自治体の独自支援策を応援すること、被災者生活再建支援金を最大300万円から500万円に引き上げ、対象も一部損壊以上に拡大することを求めます。

 今、日本経済は、一昨年4月の消費税増税による、個人消費の落ち込みと底打ちが、ずっと長引いています。

 政治が本来果たすべき役割は、賃上げや社会保障の充実など、国民の懐を直接助ける予算を組むことです。

 ところが、本予算案は、国民のくらしの立て直しには役立たないばかりか、財政再建を困難にするなど問題があり、反対です。

 まず問題なのは、「働き方改革」と称し、その大部分を低所得者向け臨時福祉給付金に充てていますが、これは、消費税増税に対する負担軽減にはほど遠いものです。消費税増税は延期ではなく、きっぱりやめるべきです。

 では、政府の狙いは何なのか。「働き方改革実現会議」のメンバーのほとんどは企業経営者で占められています。経営者側の期待は、「裁量労働制の拡大」「残業代ゼロ制度」など、ブラック企業合法化とも言える政策です。経営者偏重では「働く人の立場と視点に立った議論ができない」のは明らかで、いち早く是正すべきです。裁量労働制の実態を調べ、結果を公表し、みなし労働時間を超えた場合の厳格な指導と、残業時間の規制に本格的に取り組むことを求めます。

 総理は、介護の給付はずし、医療費の国民負担増、生活保護の減額などの押し付けにまっしぐらです。介護保険改悪も絶対やめるべきです。

 保育士の処遇について、私の質問に総理は具体的で実効性ある待遇改善をすると答弁しながら、本予算案では見送られ、概算要求でわずか2%の賃上げが事項要求とされています。到底容認できません。

 次の問題は、リニア中央新幹線の開業前倒しや大型港湾整備、首都圏の道路建設など、新規の大型開発事業にたいして相変わらずの大盤振る舞いとなっている点です。財源は、建設国債の新規増発にとどまらず、財投債をリニア新幹線建設のために発行するなど、国の借金を莫大(ばくだい)に増やすものです。軍事費は、F15戦闘機をはじめ、その多くは、次年度以降の歳出化経費の前倒しです。経済対策に名を借りた軍事費の先取りであり、許せません。

 もう一点は、SBS(売買同時入札)価格偽装問題です。

 農水省の調査は、「輸入米が国産の業務米の流通に与えた影響」など肝心な点が不明です。国家管理貿易の信頼が根底から崩されているいま、国会が中心になって解明する必要があります。関係者の参考人質疑と必要な資料の提出を強く求めます。

 TPP(環太平洋連携協定)については、国のかたちを変えるさまざまな条文と譲許表があるにもかかわらず、肝心な交渉過程を秘密にして、その結果だけを国会審議に押し付けるやり方は強権政治そのものです。批准は絶対にやめるべきです。

 豊洲市場移転問題は、予算委員会で国の責任が明らかになりました。国は、中央卸売市場整備計画の対象から、豊洲への移転計画を外すことを決断すべきです。

 安倍政権ぐるみというべき白紙領収書の問題は国民の大きな怒りを呼んでいます。

 さらに総理は参院選で語らなかった多くの問題を強権的に進めています。

 憲法についても、自民党の改憲案を議論のベースにするといい、各党に議論をうながしています。しかし、自民党の改憲案は現行憲法の平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を根底から覆し、立憲主義を破壊するものです。これをベースにした改憲案づくりなど断じて許されません。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって