2016年10月12日(水)
白紙領収書問題 “支出側の記入適当でない”
参院予算委 大門氏が追及 総務省作成「手引」に明記
首相、「ご指摘ごもっとも」と改善表明
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日本共産党の大門実紀史議員は11日の参院予算委員会の締めくくり質疑で、自民党の閣僚を含む国会議員の間で相次いで発覚した「白紙領収書」問題を追及。政治資金を所管する高市早苗総務相は、白紙領収書に支出側が金額などを記入することを「特段の事情の場合」などといって正当化しました。
一方、安倍晋三首相は、日本共産党の追及を受け、自民党の政治資金パーティーにおける受付事務の「運用改善」を幹事長から通知させたと答弁。白紙領収書が社会的に通用しないことを認めました。
「白紙領収書」問題は、自民党議員が同僚の政治資金パーティー券代を支払った際、白紙の領収書をもらい自分らで金額などを記入していたもの。
総務省政治資金課の「国会議員関係政治団体の収支報告の手引」では、(1)支出の「目的」「金額」「年月日」の3事項が記載されている必要があり、一つでも欠ければ法のいう「領収書等」に該当しない(2)支出した側が追記することは適当でない―としています。
大門氏が「手引」の説明を求めると、高市氏は、「手引」は政治資金適正化委員会が作成したQ&Aを引用した部分があり、「一般的な見解を示したもので、特段の事情がある場合までは言及していない」と答弁。「手引」の(2)は「直接、国会議員にこうしなさいと示されたものではない」などと述べました。
大門氏は総務省自身が作成した「手引」に従わなくていいのかと厳しく追及しました。
政治資金規正法第11条は、支出側に対し「当該支出の目的、金額及び年月日を記載した領収書」の徴収を義務付けています。
大門氏は「社会通念上、金額まで白紙の領収書など想定していない」と強調。高市氏は「法律上、発行者側の領収書作成方法が規定されていないことから法律上の問題は生じない」と答弁してきたが、法律上の規定がないのは必要ないからだと指摘しました。その上で大門氏は、安倍晋三首相に高市氏の大臣としての資質をただしました。
首相は、高市氏の問題には答えず、白紙領収書について「法律上の問題が生じているとは考えていない」としながら、「大門委員の指摘はごもっともだ」と述べました。
自民通達「金額記載を」
自民党は11日、日本共産党の追及で大きな問題となった自民党の閣僚らの「白紙領収書」問題を受け、領収書に金額など必要事項を記載するよう所属議員に二階俊博幹事長名で通達を出しました。
通達では、政治資金パーティーの受け付けが混雑し、その場で渡すことが困難な場合には、事後に金額記載済みの領収書を届けることを認めています。