2016年10月6日(木)
南スーダン 衝突続発
南西部 反政府派が発表
政府は戦闘否定
自衛隊が国連平和維持活動(PKO)として派遣されている南スーダンで、南西部での衝突が相次いで報道されています。同国の反政府勢力は4日、南西部の旧中央エクアトリア州で政府軍との衝突があったと発表しました。ロイター通信によると、反政府派の司令官は、イェイ、モロボ、カヤの周辺で衝突が発生し、一部地域から反政府派の部隊が撤退したとしています。
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反政府派のガトルアク少佐はロイター通信に対し「多くの市民、とくにイェイの地元の市民が脱出できないでいる」と述べました。「ほとんどが空港におり、一部が教会に避難している。市民に危害が及ばないように、これらの人々を脱出させる必要がある」としています。
これに対し、政府の報道官は戦闘の事実を否定。ロイター通信に「政府がこの地域を支配している」と述べました。
一方、地元メディアの報道では、3日に政府軍と反政府派の衝突があった南西部のイェイ川州(旧中央エクアトリア州の南部)で、少なくとも民間人3人が死亡、数百人が家を失ったといいます。現地住民によると、多くの人々が戦闘を避けて森林の中に逃げ込んでいるといいます。
南スーダンでは2015年8月、反政府派指導者マシャール氏とキール大統領の間で和平協定が結ばれましたが、今年7月ジュバで両派の戦闘が再発し、和平が崩壊しています。
国際移住機関(IOM)は4日声明を発表し、戦闘再開によって南スーダンでの人道状況が悪化しており、多くの民間人が家を失っていると指摘しました。IOMのラボビッツ東アフリカ地域事務所長は、「暴力と、情勢悪化が日々報じられる中で、政治的解決が緊急に求められている」と述べました。
国連高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2013年の戦闘勃発以来、90万人近い人々が周辺諸国に逃れています。このうち7月8日にジュバで発生した戦闘では、18万5000人以上が新たに避難民となっています。
国外に逃れたマシャール氏は先月、政府が和平協定を復活させ、同氏を副大統領に再任しなければ「武装抵抗」を再開するとの命令を自軍に発しています。