2016年10月5日(水)
停戦協議停止 米が声明
シリア内戦 IS情報交換 継続
【ワシントン=洞口昇幸】米国務省は3日、内戦中のシリアでの停戦維持を目指すロシアとの2国間協議を停止したとする声明を発表しました。停止理由として、ロシアが停戦をめぐる合意をシリア政府に順守させられず、同政府とともに軍事攻撃を続けていることなどを挙げています。
カービー米国務省報道官名で出された同声明は「この決定は軽いものではない」と強調。米側は、停戦維持のために設置を予定していたロシアとの合同組織に派遣する人員を撤収するとしています。
声明は、ロシアが国際的な人道上の義務を果たしていないと指摘。一般市民の住む地域への攻撃を強め、病院や人道援助の輸送トラックを標的にしたことを示し、「ロシアとシリア政府は停戦と矛盾する軍事的な進路の追求を選んでいる」と非難しました。
過激組織ISを掃討する作戦で米国とロシア両軍の衝突を避けるために、ロシアとの情報交換は継続します。
米国務省のトルドー報道部長は同日の記者会見で、今回の決定は「ロシアとの2国間の取り組みを停止するもので、国連や(米ロ含む)国際シリア支援国会合による多国間の取り組みの終了ではない」と説明しました。