2016年9月26日(月)
英労働党 コービン党首再選
一般党員から圧倒的支持
【パリ=島崎桂】英最大野党・労働党の党首選の結果が24日、発表され、党内最左派で反核論者のジェレミー・コービン氏(67)が再選を決めました。昨年9月の就任以来、英国の核政策やシリア空爆をめぐり党内主流派議員との対立を深めてきましたが、一般党員や党支持者の圧倒的支持を維持しました。
コービン氏は昨年の党首選(59・5%)を上回る61・8%を得票し、「反コービン」の統一候補のオーエン・スミス下院議員(46)を退けました。
コービン氏は結果判明後、対立する議員らを念頭に「対立点よりも共通点の方が多い」と党内の結束を呼び掛け、次期総選挙で政権交代を目指す意向を示しました。
コービン氏と議員団の対立を決定付けたのは、英国の欧州連合(EU)離脱を決めた6月の国民投票です。労働党はEU残留を求めて運動しましたが、結果判明後、一部議員から「コービン氏はEU残留に積極的ではなかった」との不満が噴出。同党下院議員団が6月末、コービン氏の不信任動議を可決し、党首選となりました。
党首選の論戦では、コービン氏が国民投票結果の尊重を求めたのに対し、スミス氏はEUとの離脱交渉妥結後に再度の国民投票を実施するよう要求。核政策では、英国単独でも核兵器を廃絶すべきだとするコービン氏に、スミス氏は全ての核保有国の合意が必要だと主張しました。
コービン氏の再選について、与党・保守党の報道官は、労働党内をまとめられない同氏に「国を率いることができるのか」と指摘。野党・緑の党のルーカス党首は、「保守党に対抗し、次の選挙で進歩的な政府を樹立するため、コービン氏との協力を楽しみにしている」と語りました。