2016年9月13日(火)
石油パイプライン建設 遺跡破壊に先住民抗議
米政権が会社側に停止命令
ノースダコタ州
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米中西部ノースダコタ州の石油パイプライン建設をめぐり、先住民スタンディングロック・スー族が、居留地近くにある遺跡が破壊されると訴え、反対運動を続けています。抗議する先住民族と建設作業員の衝突が起きるなか、オバマ政権は9日、建設の停止を会社側に命じました。
パイプライン予定地は同州の広大な草原に位置するキャノンボール。テキサス州を拠点にするパイプライン大手エネルギー・トランスファー・パートナーの子会社ダコタアクセスが37億ドル(約3781億円)をかけ建設を進めています。
スタンディングロック・スー族は、埋葬地や祈りの場など先祖ゆかりの文化遺物が建設によって掘り返されるなど破壊され、飲み水も汚染されていると主張。同族の住民や支援者が現地につめかけ、キャンプを張りながら数カ月にわたって抗議デモを繰り広げています。作業員との間に小競り合いが生じ、負傷者も出ました。
住民側は建設中止の裁判を起こしましたが、ワシントンの連邦地裁は訴えを却下。しかし抗議はおさまらず、約200もの先住民族が反対運動を支持するなど全米中に波紋を広げています。スタンディングロック・スー族とその支援者は、「パイプライン建設は停止でなく完全な中止を」と主張しています。(遠藤誠二)