2016年9月7日(水)
衝突回避へ協議加速
東シナ海 日中首脳会談で一致
【杭州(中国)=小林拓也】安倍晋三首相は5日、中国・杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議閉幕後、中国の習近平国家主席と会談。両首脳は、各分野での対話・交流の促進で合意しました。また、東シナ海で偶発的衝突を避けるための「海空連絡メカニズム」について、協議を加速することで一致しました。
両首脳の会談は昨年4月以来、約1年半ぶりで3回目。30分余り行われました。
会談で安倍首相は、東シナ海情勢に関し、「中国公船、軍による特異な活動は極めて遺憾だ。一方的に緊張をエスカレートさせる行動をやめてほしい」と述べ、状況を改善するよう要求。中国外務省によると、習主席は「意見交換を強めて、問題を適切に処理し、東シナ海の平和と安定を共に守りたい」と応じました。
両首脳は、2008年に合意した東シナ海ガス田の共同開発に関し、14日に交渉再開のための協議を行うことを確認しました。
南シナ海での中国の行動に対し、安倍首相は「国際法のルールを守り、周辺国の不安解消に努めてほしい」と求めました。これに対し習主席は「日本は南シナ海問題に関する言動を慎むべきだ」と述べ、日本は当事者でないとけん制しました。
会談では、北朝鮮問題や経済協力についても意見交換。習主席は「双方は妨害を排除し、中日関係を早期に正常な発展の軌道に戻すべきだ」と呼びかけました。安倍首相も「安定的な友好関係を築きたい」と述べました。