2016年9月6日(火)
香港議会選挙 民主・本土派 3分の1超確実
重要議案の拒否権を維持
【杭州(中国)=小林拓也】4日投票の香港立法会(議会、定数70)選挙は5日朝から開票が進み、5日夕までの香港メディアの報道によると、中国中央政府や香港政府に批判的な「民主派」と「本土派」が、重要議案を否決できる3分の1超(24議席以上)の議席を前回に続き確保することが確実になりました。香港を自らの本土と主張する「本土派」は、2014年の「雨傘運動」に参加した若者たちが結成。今回の初の選挙で、議席を獲得しました。
70議席のうち、5選挙区で争う直接選挙枠(35議席)では、「本土派」が3議席、普通選挙実現などをめざす「民主派」が16議席を獲得。親中国・親政府派は16議席にとどまりました。
業界ごとに議員を選出する間接選挙枠(35議席)の開票結果は、5日夕までにすべて判明していません。ただ民主派が前回並みの9議席程度を獲得すれば、非親中派が重要議案を拒否する議席を維持することになり、3分の2以上の議席をめざした親中派の思惑が崩れます。
投票率は過去最高の58%で、4年前の前回選挙から5ポイント上昇。220万人以上が投票し、一部の投票所では投票終了の4日夜10時半時点でも投票に訪れた有権者が長い列をつくり、投票終了は5日午前2時ごろまでずれ込みました。
投票終了直前に多くの有権者が政治的意思を示すために投票所に足を運んだとみられます。14年の行政長官選挙制度の民主化を求める学生や市民らによる「雨傘運動」後、初めての立法会選挙で、若者らの政治意識の高まりを示しました。
中国中央政府は、本土派を「香港独立」をめざす勢力として危険視し、香港選挙管理委員会は本土派の一部候補の立候補を認めませんでした。この決定が広範な香港市民の怒りを呼び、親中派への反発につながりました。