2016年8月22日(月)
南スーダン 子ども兵、徴用続く
ユニセフ停止要求
のべ1万6000人と推定
ユニセフ(国連児童基金)は19日、紛争が再燃するアフリカの南スーダンで、武装勢力による子どもの兵士徴用が続き、今年に入り新たに650人が徴用されたと発表しました。徴用の即時停止と子どもたち全員の無条件解放を武装勢力に要請したことを明らかにしました。
ユニセフによると、2011年にスーダンから分離し独立した南スーダンで、紛争が始まった13年から武装勢力に徴用された子どもの数は、のべ1万6000人にのぼると推定され、それが現在も続いています。
15年には、1775人の子ども兵士の解放が実現しましたが、ユニセフは、紛争が再燃し徴用が再開されたことで、こうした前進面が後退していると指摘します。
現地を訪れたユニセフのジャスティン・フォーシス事務局次長は「私たちが、この若い国の子どもたちとともに描いていた夢は悪夢になってしまった。子どもたちの徴用がさらに急増する事態が迫っていることを懸念している」と語りました。
同国ではまた、女性に対しての組織的な性的暴行がまん延しているとして、同基金は、南スーダン全土で子どもと女性への支援と保護を進めるため、一刻も早い人道的な支援を行えるようにする必要があると強調しています。
南スーダンでは、13年12月からキール大統領の政府軍と、マシャール前副大統領率いる反政府軍による紛争が勃発。今年7月には、両勢力による戦争激化で、首都ジュバとその周辺を含め、治安状況が悪化しています。現地で展開する国連平和維持活動(PKO)の国連南スーダン派遣団(UNMISS)の部隊が4000人規模で増派されるなど、深刻な事態が進展しています。