2016年8月5日(金)
東京都・和歌山県・大阪府・大阪市 カジノ要求
解禁法案 今秋成立狙う動き
来年度の国の予算編成に向けて、地方自治体が政府に提出した「提案要求」で、刑法が禁じる賭博場・カジノ解禁のための法整備を要求する動きが起きています。これまでに、東京都、和歌山県、大阪府、大阪市が「カジノ要求」を政府に提出しています。
東京都が6月に出した「提案要求」は、「生活・産業」関連の項目で「(カジノは)国際観光拠点として有力な観光資源であり、経済波及効果や雇用創出効果等が期待できる」とのべ、(1)法整備にあたり現行法体系との整合性を図る(2)カジノ導入にともない国民が抱く懸念を払しょくするよう努める(3)地方自治体の意向を十分踏まえること―を求めています。
和歌山県が5月に提出した提案・要望では、大規模なカジノ施設である「特定複合観光施設区域」の選定は、大都市部だけではなく地方を加えるべきだとして、カジノ法制の早期整備とともに和歌山県を選定するよう要望。同県がカジノの要求を出すのは2014年から3年連続です。
大阪府は、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)を「わが国の魅力創出につながり、経済成長の起爆剤となる」として早期法制化の要求を6月に提出。「大きな経済波及効果が期待できる大阪にIRを立地する」としています。
大阪市は6月に提出した要望書で「大きな経済波及効果が期待できる大阪・夢洲(ゆめしま)でのIRの立地の実現」と、誘致予定地として同市此花区の夢洲を具体的にあげながら、カジノの早期法制化と大阪市への立地を求めています。大阪府・市の要望提出は13年から4年連続です。
これらの自治体は、カジノ誘致への調査費などとして、すでに多額の公費もつぎ込んでいます。
超党派のカジノ議連(「国際観光産業振興議員連盟」、会長・細田博之自民党総務会長)は秋の国会でのカジノ解禁推進法案成立をめざす動きを強めており、自治体の提案・要望は「地方からの突き上げ」として、これに影響を与える危険性があります。