2016年7月25日(月)
政治献金の制限・国民皆保険の実現…
米市民が「政策綱領」採択
米大統領選 二大政党に対案
【フィラデルフィア=島田峰隆】米民主党の全国大会が25日から開かれる東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで23日、全国から集まった市民らが「国民の全国大会」と銘打った討論会を開きました。参加者は政治献金の制限や国民皆保険の実現など一連の要求をまとめた「国民の政策綱領」を採択しました。
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経済格差の是正を求めるオキュパイ運動や人種差別とたたかう団体などが共同で開きました。11月の大統領選挙に向けて民主、共和の二大政党がそれぞれまとめた政策綱領に対案を示し、「民主主義を求める草の根の市民の要求を掲げること」(主催者)が目的です。
「国民の政策綱領」は「選挙で選ばれた政治家が国民に責任を負う政治を実現する」と強調。企業や団体による無制限の政治献金を認めず、市民の小口献金による選挙に変えることや、政治家の業界団体への天下りの禁止などを求めました。
ごく一部の富裕層だけが潤う社会を正すために、最低賃金の引き上げや会社役員の高額報酬制度の改革を要求しています。また「医療は人権であり、もうけのための商品ではない」と指摘し、国民皆保険制度の導入が不可欠だと訴えています。
討論には、民主党全国大会の一部の代議員も参加。「国民の政策綱領」は民主党全国大会の議論で紹介される予定です。
南部ケンタッキー州から民主党全国大会の代議員として来たエミリー・ブーンさん(73)は「ウォール街の影響を断ち切ることが一番大切です。民主党の議員は金融業界を批判しますが、その言葉を実践するよう責任を追及したい」と話していました。
「国民の全国大会」には、二大政党以外で大統領選に臨む緑の党の候補者、ジル・ステイン氏も出席しました。