2016年7月23日(土)
EU離脱通告 早急に
英との首脳会談で仏大統領
【パリ=島崎桂】英国のメイ首相は21日、パリでオランド仏大統領と会談、英国のEU離脱について協議しました。年内の離脱通告を見送る意向を示したメイ氏に対し、オランド氏は可能な限り早期の通告を促しました。
共同会見でメイ氏は、先月末の国民投票の結果について「EUから英国への人の移動を管理すべきだというメッセージだ」と述べるとともに、正式な離脱通告は来年以降になると表明しました。
オランド氏は「時間が必要なのは理解できる」とする一方、離脱通告は「早ければ早いほど(関係各国の)共通の利益になる」と指摘。「EUの単一市場へのアクセスは、労働者の移動の自由なしには認められない」と述べ、EUとの自由貿易と移民規制の両立を目指す英国をけん制しました。
メイ氏と21日に会談したドイツのメルケル首相も、英国のEU離脱をめぐり「中ぶらりんの状態が続くのは誰も求めていない」とくぎを刺していました。
オランド氏は22日、ダブリンでアイルランドのケニー首相とも会談。両首脳は共同声明で、英国に「可能な限り早急な」離脱通告を求めるとともに、同国との「緊密な関係」を維持する重要性を確認しました。
両首脳はこのほか、EUは「欧州の平和、繁栄、安全に不可欠な枠組み」であるとして、EUの信頼回復に努める意向を表明。具体策として、経済成長、雇用創出、環境対策などを挙げました。