2016年7月17日(日)
トルコでクーデター未遂
軍人2839人拘束、161人死亡
トルコで15日、軍の一部がクーデターを企てましたが、失敗したもようです。16日にかけ反乱軍と正規軍や政権支持派との戦闘も含めた攻防が続き、ユルドゥルム首相は16日、161人が死亡、1440人が負傷したと述べました。
反乱派は国営テレビ局を一時占拠し、「軍が全権を掌握した」と声明を発表。夜間外出禁止も宣言し、首都アンカラの国会一帯や最大都市イスタンブールの国際空港に戦車部隊を展開するなど、情勢が一気に緊迫しました。
休暇でトルコ南西部に滞在していたエルドアン大統領は15日、携帯電話のビデオ映像を通じて、国民に街頭に出て抵抗するよう呼びかけ、大統領支持者らがこれに呼応。大統領は空路でイスタンブールに移動し、16日未明に集まった支持者を前に「国家への反逆行為で、重い代償を支払うことになる」と訴えました。
反乱軍が国会をヘリコプターで空爆したのに対し、正規軍はアンカラ上空に戦闘機を出動させ、反乱軍のヘリを撃墜。大統領官邸近くの反乱軍戦車に爆弾を投下しました。
イスタンブールでボスポラス海峡にかかる二つの橋を占拠していた反乱兵約50人は投降。アンカラの軍の本部でも反乱軍の軍人約200人が投降し、人質にとられていた参謀本部長も正規軍が救出したと発表がありました。トルコ軍の参謀長代行は、クーデターは失敗したと宣言しました。
ユルドゥルム首相はクーデターを企てたとして軍人2839人を拘束したと発表しました。(小玉純一)