2016年7月10日(日)
退役軍人の単独犯か
米ダラス狙撃 白人警官に憎悪
【ワシントン=洞口昇幸】米テキサス州ダラスで7日夜、白人警官による黒人射殺に抗議するデモの最中に警官5人が狙撃され、死亡した事件について、米退役軍人の黒人容疑者(25)単独による白人や警官を標的にした憎悪犯罪だったとの見方が強まっています。米メディアなどが8日、報じました。
それによると、ダラス警察は同容疑者が死亡する前に、「白人、特に警官を殺したかった」「単独行動だ」などと述べていたと発表しました。ロイター通信によると、容疑者はフェイスブックで、自らを「黒人ナショナリスト」と位置付けるような書き込みなどをしていました。
容疑者は発砲現場近くで警察に包囲され、銃撃戦の末、警察が爆発物を載せたロボットを使って殺害。容疑者によるものとみられる狙撃で、犠牲者の他に警官・市民7人が負傷しました。
事件に関与した疑いで3人が拘束され、取り調べを受けていますが、事件とのつながりはこれまでのところ不明です。
警察に対する抗議デモは、白人警官による黒人射殺が5日にルイジアナ州、6日にミネソタ州と連続して起きたことが発端。8日もニューヨークやアトランタ、フィラデルフィアといった大都市でデモが行われました。
オバマ米大統領は訪問先のワルシャワで8日、狙撃事件について「全ての真相をまだ把握していない」と述べた上で、「警察に対するこの種の攻撃やいかなる暴力も正当化することはできない」と指摘。「残念なことに、人々が強力な武器を武装しているとき、より悲劇的で致命的なこのような攻撃が起きる」とも述べました。