2016年7月10日(日)
自民党が“密告”のすすめ
戦場に送るな・安保法廃止は“偏向” 「教育の政治的中立性調査」うたい
|
自民党がホームページで「学校教育における政治的中立性についての実態調査」を呼びかけています。政権与党が「密告」を奨励するようなものと、強い批判を浴びています。
同調査の呼びかけ文は、「教育現場の中には『教育の政治的中立はありえない』、あるいは『子供たちを戦場に送るな』と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生方がいる」と指摘。高校などの模擬投票を通じて「特定のイデオロギーに染まった結論が導き出されることをわが党は危惧している」とのべています。
回答者本人の氏名や性別、年齢、職業、連絡先などとともに、「政治的中立を逸脱するような不適切な事例をいつ、どこで、だれが、何を、どのように行ったのかについて具体的に記入」するよう求めています。
調査の実施に対し、「戦場に送るな!なんて当たり前」「自民党にとっては子どもたちを戦場に送ってくれる先生が『政治的中立』なんだそうだ」「もはや戦争反対が偏向教育になったのか」などツイッターで批判が集中し、「密告フォーム」の名で炎上。ホームページ上の調査フォームが見られない状態が続きました。
その後、「子供たちを戦場に送るな」の文言を「安保関連法は廃止すべき」にかえて調査フォームを復活しましたが、この文言も削除しました。「ほかでもない政権与党がやってるってことの意味をよく考えなきゃだめだ」と怒りの声はさらに強くなっています。
教育に不当介入 教員の自由奪う
全日本教職員組合の小畑雅子書記長の話 政権与党が国民に「密告」を奨励するような実態調査をすることは、教育基本法にある教育への不当な介入そのものです。しかもその内容が安保関連法に反対するなというものですから、戦争できる国づくりをすすめるぞと宣言しているといっても過言ではありません。教員を萎縮させ、個人としての政治的自由さえ奪おうとするような流れを許してはなりません。