2016年7月8日(金)
なるほど!論戦ポイント!
待機児童解消
自民 詰め込みで命が危うく
共産 抜本増設、基準引き上げ
参院選で安倍首相は「保育の受け皿しっかりつくっていく」と述べ、受け皿を40万人から50万人に増やしたなどと「待機児解消」と宣伝しています。しかし、待機児解消にはほど遠く、子どもの成長と安全を危うくする内容です。
受け皿を増やしたといっても、自治体の計画(45万人分)に、5万人分を上乗せしただけです。6万人にのぼる“隠れ待機児”は反映されていません。
「待機児解消」策なるものも、小規模保育の定員を19人から22人に引き上げ、自治体の上乗せ基準を国の最低基準にまで引き下げるなどの基準緩和で「詰め込み」を進めるものです。
追加した5万人分は有資格の保育士が半分ですむ無認可の「企業主導型保育」で、父母の強い願いである認可保育所の拡充に背を向けています。事業所内保育で子どもを亡くした保護者らは「『質の担保』の仕組みが非常に脆弱(ぜいじゃく)」(保育園を考える親の会)だと警鐘を鳴らしています。
保育士の劣悪な処遇が大問題になっているのに、賃金引き上げは2%(月額約6000円)。全産業平均より約10万円も低い実態の是正には及びません。
保育士不足を口実に「多様な保育士」「保育補助員」など人件費の安い非正規・無資格の職員を増やす方針です。4月からは、朝夕の時間帯は保育士2人の配置を1人で良いと緩和しました。子どもたちの命と安全さえも軽視するものです。
日本共産党は、規制緩和と「詰め込み」に反対し、約30万人分(約3000カ所)の認可保育所の緊急増設や、賃上げと最低基準の抜本的な引き上げで保育士処遇の改善を主張。国と地方が責任をもって公立保育所の抜本的増設に踏み出すよう求めています。