2016年7月4日(月)
EU愛してる!
英ロンドンで離脱反対デモ
【パリ=島崎桂】英国の首都ロンドンで2日、同国の欧州連合(EU)離脱に反対するデモが行われ、英メディアによると少なくとも数千人が参加しました。他方、最新の世論調査によると、投票再実施の支持は31%で、58%が反対しています。
「欧州のための行進」と名付けられたデモは、一部市民がインターネットを通じて呼び掛けたもの。残留支持が多数を占める若年層を中心に、幅広い世代が参加。「EUを愛している」などと書かれたプラカードを手に市内を行進しました。
デモに参加したナサニエル・サムソンさん(25)はロイター通信に対し、EU離脱に伴う将来への不安を語り「(国民投票の)結果は受け入れているが、黙っては受け入れられないことを示すためデモに参加した」と話しました。
一部の離脱派は投票キャンペーンを通じ、EU離脱で浮いたEUへの拠出金を国民保健サービス(NHS)に充当すると主張していましたが、英国独立党(UKIP)のファラージュ党首らは結果判明後、「確約できない」(ファラージュ氏)などと発言。残留派の間では、離脱派の「虚偽」を指摘する声も高まっています。
一部の参加者は、「民主主義は虚偽の上には成り立たない」とのプラカードを掲げたほか、移民を標的としたヘイト・クライム(憎悪犯罪)の増大にも懸念を示しました。
投票結果を受けて辞意を表明したキャメロン英首相の後任を選ぶ保守党の新党首選挙には、残留派、離脱派双方から計5人が立候補しました。国民投票の結果に法的拘束力はありませんが、5人の候補者はいずれも、首相就任後に正式にEU離脱手続きを開始する意向を示しています。