2016年6月28日(火)
“国基準では保育できない”
私立保育園園長ら 厚労相に要望書
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私立の認可保育園の経営者や園長らでつくる「全国民間保育園経営研究懇話会」は27日、保育士給与の基準額(公定価格)や職員の配置基準の引き上げなど、保育政策の抜本的な改善を求める要望書を厚生労働相に提出し、東京都内で会見しました。
石川幸枝会長は、待機児童の解消が求められるなか、公定価格は15年以上改善されていないと指摘。「保育士は子どもの命と成長発達を保障する専門職とはほど遠い賃金で働いている」として、全産業労働者平均から10万円以上低い保育士給与の底上げを訴えました。
福岡県で四つの園を運営している原田秀一さんは“1歳児6人に保育士1人”という国が定める職員の最低配置基準では「到底保育はできない」と強調。同会に加盟するほとんどの園が保育士を加配するため財政を切り詰めているとして「保育士の給与を上げたくても上げられないのが実情だ」と話しました。
要望書では、国が2017年度までに廃止を含め検討している「退職金共済制度への公費補助」の継続・充実を要求。安倍政権が打ち出している「企業主導型保育事業」についても「保育の質を軽視する」施策であると批判し、基準を認可保育所並みに引き上げ、運営等に市町村が関与するよう求めました。