2016年6月25日(土)
「軍事研究しない」
科学者の決意 支えは市民
シンポ
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シンポジウム「天文学者と語りあう平和」が23日夜、東京都内で開かれました。安倍政権のもとで科学研究の軍事への動員の動きが加速するなか、「軍事研究をしない」という科学者の決意を市民が支えようと、180席の会場を埋めた天文関係者や市民が誓い合いました。
参加者は、映像による“宇宙旅行”で、ふるさと地球の大切さを共有。争うことの無意味さを確認しました。
天文学の池内了・名古屋大学名誉教授は、軍学共同の急進展に対して最近、新潟大学や琉球大学などが軍事研究をしないと決めたと紹介。「こうした決議は、皆さんの支えがあって継続される」と訴えると、会場は大きな拍手で応じました。
志田陽子・武蔵野美術大学教授は憲法学の立場から講演。研究の自由や市民の知る権利が踏みにじられ、「統治者が守るべきルールが守られず、科学の筋道が変わろうとしている」と告発しました。ナチスドイツ時代の科学者の例を引いて、成果がどう使われるのか、科学者自身が「血の通った想像力」をもつ大切さを強調しました。
パネル討論では、市民・学生が、科学者と意見交換。軍事と科学の歴史や社会とのかかわりを討論しました。
戦争・平和と地球をテーマにしたミュージカルを手掛ける松本MOCOさんは「軍事研究のことも、研究者の迷いも初めて知りました。自分で考えて世界に向けてどう行動すればいいのかわかった」と話していました。