2016年6月24日(金)
沖縄は願う 平和の世
沖縄戦71年追悼式 翁長知事「平和宣言」
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太平洋戦争末期の激しい地上戦で20万人を超す人々の命が失われた沖縄戦から71年の「慰霊の日」を迎えた沖縄県は23日、糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」を開きました。約4700人が参列し黙とう。恒久平和を願いました。
平和宣言で翁長雄志知事は、「悲惨な戦争の体験が平和を希求する沖縄の心の原点」とし、その心をよりどころに、復興と発展の道を歩んできたと述べました。
米軍基地があるゆえ事件・事故が繰り返され、「非人間的で凶悪な事件に県民は大きな衝撃を受けている」と安倍晋三首相に直接語りかけ、日米地位協定の抜本的な見直し、「海兵隊の削減を含む米軍基地の整理縮小」などを強く求めました。米軍普天間基地に代わる辺野古新基地建設を唯一の解決策とする政府の考えは、到底許容できないと訴えました。(翁長知事の平和宣言)
金武(きん)町立金武小学校6年の仲間里咲(りさ)さんが平和の詩「平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)」を朗読。亡き祖父から聞いた戦争体験を受け止め、「希望を込めて平和の願いを蝉(セミ)とともに叫ぼう」とうたいました。
沖縄県遺族連合会の宮城篤正会長は、普天間基地の「早急なる移設を熱望すると同時に、戦争につながる新たな基地建設には遺族として断固反対いたします」と追悼の言葉を述べました。
追悼式には、安倍首相のほか衆参両院議長らが出席。首相は、事件に触れ、地位協定に関する米側との協議について述べました。
追悼式終了後、翁長知事は、地位協定改定に関連して裁判権が及ばないなどの問題を吟味して変えていくことがなければ「戦後の占領時代は終わっていないような感じがします」と述べました。
県内各地でも追悼式が開かれました。