2016年6月21日(火)
米国 国民多数の願い 民主党政策に
若者ら運動継続
ピープルズ・サミット閉幕
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【シカゴ(イリノイ州)=島田峰隆、洞口昇幸】米大統領選の民主党指名候補争いで自称「民主的社会主義者」のバーニー・サンダース上院議員を支えてきた団体・市民らがシカゴで開いていた会議「ピープルズ・サミット」は19日、来月の同党全国大会で決定する党政策綱領に国民多数の要求を反映させるために、各分野・団体の運動を継続・強化することなどを確認し、閉幕しました。
「全国看護師組合」(NNU)のローザン・デモーロ事務局長は、移民・人種差別的発言を繰り返す共和党のドナルド・トランプ氏を大統領にさせないために、「私たちのできること全部に取り組もう」と呼び掛けました。新政権に要求実現を迫る全米行動を来年2月に計画していることや、今回のような大規模な議論の場を強める考えも示しました。
サンダース氏を応援する若者グループ「ミレニアルズ・フォー・バーニー・サンダース」の共同創設者のモミタ・アーメドさんは、各地で出会ってきた若者らは「最も多い支援者だ」と強調。これまで成し遂げられなかったことを若者らが実現してきたと述べ、今後も「政治活動にとどまり、たたかい続ける」と決意を語りました。
参加者は地方ごとにグループ討論を行い、今後の抱負を交流しました。
大統領選や中間選挙に向けては「民主、共和の二大政党では私たちの要求を実現できない。多彩な運動を一つにまとめる新しい政党が必要だ」「要求を託せる候補者を多く出し、公約実現へ圧力をかける運動をしよう」などの意見が出ました。
日常的な活動では「全国の活動家の取り組みを伝えて運動を励ます革新的なメディアが求められている」「地元の大学のセミナーなどに参加し、経済格差や人種差別について若い人と議論したらどうか」などの提案がありました。賃金引き上げを求めるストライキや、インターネットを使った署名活動などを呼び掛ける人もいました。