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2016年6月18日(土)

英議員 撃たれ死亡

EU残留派、活動中

容疑者逮捕 極右と関連捜査

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 【パリ=島崎桂】英国最大野党・労働党の女性下院議員、ジョー・コックス氏(41)が16日、地元選挙区の中部リーズ近郊で銃撃され、同日中に搬送先の病院で死亡しました。コックス氏は英国の欧州連合(EU)残留か離脱かを問う国民投票で、残留派として活動していました。英警察は、現場付近で容疑者の男(52)を逮捕しました。


 英メディアが伝えた目撃証言によると、事件はコックス氏が支持者との会合を終えた直後に発生。男はコックス氏に複数の銃弾を浴びせた上、地面に倒れた同氏を刃物で複数回刺し、蹴りを加えたといいます。

 また、犯行時に「ブリテン・ファースト(英国が第一)」と叫んだとの証言もあります。英国には同名の極右団体があり、捜査当局は事件との関連を調べています。犯行は計画的に行われたものとみられますが、当局はこれまでのところ、テロ組織などとの関連は否定しています。

 離脱派が容疑者に影響を与えたかどうかは不明ですが、現状に不満を持つ離脱派はこのところ、移民排斥を求めエスカレート。「(難民分担などを上から押し付けようとする)EUはヒトラーと同じだ」(離脱派のジョンソン前ロンドン市長)などの発言も出ています。怒りの矛先を移民・難民とEUに向けているとの指摘もあります。

 2児の母親でもあるコックス氏は、昨年5月の総選挙で初当選。以前は、国際援助団体オックスファムの政策部長を務めており、当選後は難民支援に尽力していました。英国で23日に実施されるEU離脱の是非を問う国民投票では、EU残留を訴えていました。

 コックス氏の夫は16日の声明で、「ジョーはより良い世界を信じ、そのために人生をかけてたたかっていた」「彼女は、彼女を殺した憎悪に対し、人々が団結して立ち向かうことを望むだろう」と語りました。

 ロイター通信によると、英国で現職の下院議員が殺害されたのは1990年以来。

 キャメロン英首相は「ジョー・コックスの死は悲劇だ。彼女は意志と思いやりのある議員だった」と述べ、哀悼の意を表明。労働党のコービン党首は「彼女は人権や平和、正義のためにたたかう女性だった」と評しました。

 EU残留派、離脱派の両陣営は事件を受け、16、17日の投票キャンペーンを中止しました。


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